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【POTLUCK FES 24 Spring】約600名参加の地域経済の祭典、今年も“もちよる”“つながる”“何かが起こる”?

2024.03.21(木) 15:02
【POTLUCK FES 24 Spring】約600名参加の地域経済の祭典、今年も“もちよる”“つながる”“何かが起こる”?

昨年3月にPOTLUCK FES’23 Springの開催と同時に産声を上げた地域経済創発プロジェクト「POTLUCK YAESU」。そして2024年3月8日、POTLUCK YAESUが1周年を迎えるタイミングで、POTLUCK FES’24 Springが開催されました。

1年にわたり、POTLUCK YAESUの拠点である東京ミッドタウン八重洲で開催したイベントや全国各地での取材活動を通じて、さまざまな出会いがありました。

これまでPOTLUCK YAESUと関わってくださった皆さん、そしてその想いと知恵が再び集う今回のPOTLUCK FESは、私たち運営にとってこれまでの活動の総決算です。さあ、皆さんのポットラック(持ち寄り)で、今年も何かがはじまった!?

今年もはじまる、春の地域の祭典

会場となったのは、東京ミッドタウン八重洲 イノベーションフィールドの4F・5F。

未明に雪が降り、交通機関に大きな影響を及ぼすことはなく、事故で一部来場できない方がいらっしゃったものの、まずは無事開催することができて、ほっとひと安心。今回も北海道から沖縄まで全国各地からご来場いただきました。来場者の総数はざっと598人!

平日にもかかわらず、開始時刻の前から受付には列ができ、5Fのオープンスペースでは集まった人々の「はじめまして」「ひさしぶり」の声が聞かれます。

POTLUCK FESの開催も3回目を迎え、会場にはお馴染みのコーナーも。

来場者をお出迎えするPOT-rack。撮影した写真にその場でメッセージを残すことができます。今年もたくさんの笑顔とメッセージをいただきました!

皆さま、いつもありがとうございます!来場者の方にPOTLUCK(持ち寄り)いただいたお土産品のコーナー。今年はいただいたお土産をすぐに他の来場者の皆さんに振る舞えるように。

ただし、セッションの前に酔いつぶれないように、お酒はアフターパーティーから!?

また、2024年1月1日に発災した能登半島地震により、北陸地方ではいまだ多くのエリアが復旧・復興の最中にあります。

POTLUCK FES’24 Springでは微力ながら北陸地方の復旧・復興に向けた取り組みとして、参加チケットの売上金を、令和6年能登半島地震災害義援金として全額、日本赤十字社に寄付いたします。

会場内にも今年は能登半島のコーナーを設置いたしました。

クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」と連携した能登半島支援のプロジェクトの展示コーナー。ファウンダーの家入一真さんにはトークセッションにも登壇いただきました。

まだ能登では、販売店をはじめとする商品の流通が復旧しておらず、商品の販売が難しいところもあるとのこと。そういった商品を中心に集めて会場で物産展を開催させていただきました。

そして、トークセッションの合間に小腹がすいた、ひと休みしたい、といった皆さんのニーズにお応えするためにお集まりいただいたのが……

おにぎり神谷の神谷禎恵さん、菓匠風月の藤田浩一さん、クラフトミルクスタンドのマネージャー長谷部望さん、和香園の葛井陽介さん、薄井青果の薄井壮登志さん。

産地のおいしいご飯、おやつ、ドリンクが来場者をもてなします。

マイク1本。高橋博之さんの能登、地域、そして日本への熱いメッセージ

オープニングセッションの前には、POTLUCK YAESUのプロデューサーである上垣和と山本雄生がステージに上がり、プロジェクト開始からの1年を振り返りました。

八重洲を拠点に都市と地域をつなげる取り組みを行ってきたPOTLUCK YAESUは、2023年に開催したPOTLUCK FESでは合計1200名にご来場いただき、その他約50のイベントを開催してきました。

POTLUCKマガジンでも約50の記事を公開。少しずつですが、着実に地域経済の担い手をつなげるお手伝いをさせていただきました。

そしていよいよ、オープニングセッションを務めていただく株式会社雨風太陽の高橋博之さんが壇上に上がります。

OPENING SESSION
「ソーシャルインパクトはなぜ必要か。「社会性」と「経済性」の両立を目指せ」

登壇者プロフィール

高橋 博之(株式会社雨風太陽 代表取締役)

地方創生に関わる方々のなかには、すでに能登へ出向き、復旧・復興のために動いている方もいらっしゃいます。高橋博之さんもその一人。

産直通販のポケマルを運営する株式会社雨風太陽は2023年12月に東京証券取引所グロース市場へ上場を果たし、NPO出身の日本初のインパクトIPOとして話題になりました。

東証のセレモニーで鐘を鳴らした当日の夜、まさにPOTLUCK FESが行われているこの東京ミッドタウン八重洲の会場で、上場パーティーを開催していただいたというPOTLUCK YAESUとの浅からぬご縁もあります。

もともと東日本大震災の復興支援のために、雨風太陽の前身となるNPO団体を立ち上げた高橋さんにとって、能登半島地震は対岸の火事としておけるものではありませんでした。発災後間もなく現地入りし、現在も被災地の復旧・復興支援に携わっているそうです。

高橋さんは東日本大震災と比較して、能登半島地震の被災地を「活気がなくて、ゴーストタウンのようだ」と話します。

東日本大震災のときと同じく、震災以前に抱えていた過疎化等の地域課題も合わせて解決する「創造的復興」の必要性が議論されている一方で、現地入りしている民間企業はごくわずか。

高橋さんは被災地にボランティアなどの「社会性」だけでなく、自ら稼げる「経済性」をもたらすためにも、都市と地方の分断をなくし、関係人口を創出していくことの重要性を強調します。

「能登半島地震に対するスタンスが、これからの地域及び日本の社会の分水嶺になる」と語る高橋さん。

高橋さんの言葉は、私たちにどのような未来を望むのかの選択を迫り、また背中を押してくれているように感じました。

観光、第一次産業、ファイナンス──地域の実践者が集結!

オープニングセッションの後は「POTLUCK STAGE」「SOCIAL STAGE」「BUSINESS STAGE」の3つの会場でさまざまなテーマのセッションが開始しました。

観光、第一次産業、ファイナンス、人材、地域コミュニティなど、さまざまなテーマに精通する地域経済のプレイヤーが会場を巻き込みながら議論を行います。

POTLUCK STAGE Session1
「発展する観光/停滞する観光:地域ブランディングと接続する新産業創出」

登壇者プロフィール

永谷 亜矢子(株式会社an 代表取締役 / ナイトタイムエコノミー推進協議会 理事 / 立教大学 経営学部 客員教授)
山下 章子(富山県地方創生局観光振興室 参事・観光戦略課長)
福田 晃一(LIDDELL株式会社 代表取締役CEO)
林 光太朗(株式会社フィールドデザイン 代表取締役)

POTLUCK STAGE Session2
「伸びしろだらけの農業・漁業、変えるピースは「異能」か「技術」か?」

登壇者プロフィール

ファシリテーター:海野 慧(CarpeDiem株式会社 代表取締役 / Sustainable Food Asia株式会社 代表取締役)
齋藤 潤一(AGRIST株式会社 代表取締役 / 一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事)
下地 邦拓(EF Polymer株式会社 COO)
高橋 大就(一般社団法人東の食の会 専務理事 / 一般社団法人NoMAラボ 代表理事 / 一般社団法人 SOMA 共同代表)

POTLUCK STAGE Session3
「進化する一次産業:世界2位の森林ポテンシャルをどう活かすか?」

登壇者プロフィール

ファシリテーター:工藤 拓真(株式会社BRANDFARM 代表取締役社長 / 株式会社dof 執行役員 / 株式会社YAMAP 社外取締役)
福島 弦(株式会社Sanu 代表)
井上 達哉(VUILD株式会社 COO)
林 千晶(株式会社Q0 代表取締役社長)

SOCIAL STAGE Session1
「地域コミュニティの進化は「遊び」から始まる:“プレイフルドリブン”はなぜ強いのか?」

登壇者プロフィール

ファシリテーター:伊藤 美希子(株式会社ビーアイシーピー・ハナレ 代表取締役)
丑田 俊輔(シェアビレッジ株式会社 / ハバタク株式会社 / プラットフォームサービス株式会社 / 一般財団法人私立新留小学校設立準備財団)
西塔 大海(合作株式会社 取締役)

SOCIAL STAGE Session2
「共助の力で描く、これからのコモンズ社会」

登壇者プロフィール

ファシリテーター:西村 勇哉(株式会社エッセンス 代表取締役 / NPO法人ミラツク 代表理事 / 大阪大学SSI 招聘教授)
成田 智哉(ミーツ株式会社 代表取締役社長 / マドラー株式会社 代表取締役社長 / えぞ財団 団長 シェアリングエコノミー協会 北海道支部長 / コープさっぽろ組織本部 地域政策室 室長)
家入 一真(株式会社CAMPFIRE 代表取締役)

SOCIAL STAGE Session3
「地域とのつながりを力に 能登震災復興のこれから」

登壇者プロフィール

ファシリテーター:木村 充慶(FUKKO DESIGN 理事 / 武蔵野デーリー 取締役)
島⽥ 由⾹(株式会社YeeY 共同創業者・代表取締役 / 一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会 代表理事)
山本 亮(株式会社百笑の暮らし 代表取締役)
明城 徹也(認定NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク;通称JVOAD事務局長)

BUSINESS STAGE Session1
「街づくり2.0 ~ファイナンスの多様化で広がるローカル不動産開発~」

登壇者プロフィール

ファシリテーター:上垣 和(三井不動産株式会社 八重洲街づくり推進室 主任)
横田 雅之(株式会社東京証券取引所 上場部 上場会社サポート担当部長)
福田 和則(株式会社エンジョイワークス 代表取締役)
石田 遼(株式会社NEWLOCAL 代表取締役)

BUSINESS STAGE Session2
「勝手に国家戦略会議 Re:gion Radio特別編」

登壇者プロフィール

木下 斉(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事)
呉 琢磨(NewsPicks Re:gion 編集長)
川原 卓巳(KonMari Media, Inc. CEO / Takumi Inc. プロデューサー)

BUSINESS STAGE Session3
「越境する「経営人材」と考える:地域資源と経済の“混ぜ方”」

登壇者プロフィール

坂本 大典(株式会社チイキズカン 代表取締役)
福島 広造(ラクスル株式会社 ストラテジックアドバイザー)
忍岡 真理恵(株式会社ヘラルボニー 最高執行責任者COO)

アフターパーティーの時間です。さあ「つながり」ましょう!

すべてのセッションを終えると、5Fのオープンスペースはアフターパーティーの会場に様変わり。各スタージに散らばっていた来場者の方が集まり、賑やかなパーティーの時間です!

ここで皆さんがPOTLUCKしてくださったお土産品の一部をご紹介!

持ち寄りコーナーを担当いただいた八重洲にあるBAR「THE FLYING PENGUINS」の店長兼コミュニティマネージャーの佐藤奈央子さんに個人的おすすめ品をお伺いしました。

茨城県大子町の鮎せんべい。力の抜けたイラストが愛らしく、ぐっと来ます。

信州亀齢純米吟醸ひとごこち。信州亀齢のなかでも上田でなければ買えない特別なお酒なのだとか。

木曽ひのきの端材で作られたお箸。これで食べれば食事も倍美味しくなる?気が利きすぎているお土産です

料理は今回もチカバキッチンさんが腕をふるいます。今回は被災地の応援のため、野菜類を中心に能登の食材を使ってくださっているそうです。

そして今日一日ビジネスカンファレンスではあり得ないほど、気持ちの良い音を流してくださっていたサウンドパートナーは福井県でONE PARK FESTIVALの運営を手掛ける勝田達さん率いるDJチーム。

写真はDJであり建築設計者でもあるshunhorさん。北陸と東京の2拠点で活動しており、富山県立山町のハーブの村「ヘルジアン・ウッド」の建築にも携わった方です。

地域の話をつまみに、美味しい食事とお酒を堪能する時間。2時間半のパーティーはあっという間に過ぎていきます。

そして最後は恒例の記念撮影。多くの来場者の方が最後まで会場に残ってくださいました。ここで生まれたつながりが、きっと日本の地域に何かを起こしてくれることでしょう!

1年間、多くの方にPOTLUCK YAESUのプロジェクトに関わっていただきました。少しずつ、POTLUCK YAESUを取り巻く輪が大きく、強くなっていることを実感しています。

そして、また次の1年でまだお会いしていない皆さまに出会えることを楽しみに、さまざまなイベントや取材を行っていきたいと思います。

これからもPOTLUCK YAESUをどうぞよろしくお願いします!!